Extreme city
そろそろ瞳に涙を浮かべ始めた頃。

「止さないか」

控え室のドアが開き、二人の人物が入ってきた。

一人は鬼の面に袖無しの白い空手着を纏った筋骨隆々の男。

もう一人は黒のタンクトップ、臍出し、黒のスパッツ、オープンフィンガーグローブを着用、黒髪をポニーテールにした女性。

「敗者を愚弄するな。敗者への愚弄は同時に勝者への愚弄にも繋がる」

言ったのは鬼の面の男、羅刹(らせつ)。

その言葉が気に入らなかったのか、不動は立ち上がって額がぶつかる寸前まで羅刹に接近する。

睨み合う二人。

「スプリームツインでもねぇ新入りの『予備要員』が、俺様にデカイ口叩くなよ?あ?」

「……『予備』は貴様の方だろう、『弟』」

「っ…」

その言葉に、不動はギリッと歯噛みするが。

< 62 / 125 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop