Extreme city
「で…」

無表情のまま、オクタゴンをゆっくりと歩く十六夜。

「50年前の死人が這い出てきて、今更何の用だ?恨み辛みを吐き出す為に化けて出たか?」

「まさか」

儚げに笑むマリア。

「私は自分が、十六夜さんの言う『死人』である事をしっかりと受け止めています…自身が化物であるのを世間の反応から受け止め、見世物としての存在意義を見い出す為…私はここに来たんです」

「化け物と罵られ、忌み嫌われるのを覚悟の上というのか」

十六夜は小さく呟く。

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