私の王子様は…
この声…
「お前ら俺の“もの”に触ってんじゃ
ねーぞ…」
そう言い私を後ろから抱き寄せた
私はものじゃないよ…神埼くん…
「何?お前らグル?」
「チッ…面倒くせぇ…
もういいよ…行くぞ…」
「おう」
そう言い残してどこかへ行った
いじめられっこはペコッと
頭を下げ小走りで去っていった…
「危ねぇことしてんじゃねぇよ」
「…でもほっとけなかった…
私が助けなかったらあの子殴られてたし…」
「あんなんほっとけよ
別にアイツがどうなったって知らねぇし」
え?
「あの子が殴られてても…よかったの?」
「あ゛?別にアイツが殴られようが
死のうが俺には関係ない…」
何…言ってんの?
殴られようが死のうが関係ない?
…違う…こんな…こんな人…
私は知らない!!
恵斗くんなわけないっ!!
「本当に…あんた恵斗くん?」
「そうだよ?
何?変わったとか思ってんの?」
「…」
「変わんのは当たり前じゃね?
それともずっとあのままでいろと…
下らねぇ」
最低だ…
最悪だ…
嫌いだ…
大嫌いだ…
「あんたなんか…
神埼くんなんか大嫌い!!」
私は走って教室に戻った…