私の王子様は…



神埼side


「そう言えば前にも
こんなことあったね…」

「え…」

俺は知らないんだ…
お前のことを…

「覚えてないか…
私は…恵斗くんとの思い出
一つ一つ昨日のことのように覚えてるよ」

分かってた…最初からお前がアイツしか
見てないこと…

「俺のこと…“山本恵斗”のこと好きだったのか?」

「…………うん…大好きだった」

俺は…最悪だ…
嘘をつかなきゃ生きてけない
誰にも信用されない…でも…

「っ!!水野!!俺は…」

花火の光が水野を照らす
その姿はとても綺麗で可愛くて
愛しくて…

嫌われるのが…嫌だと思ってしまった…

「っ…なんでも…ねぇ…」





わりぃ水野…俺は

お前の知ってる恵斗じゃない…


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