私の王子様は…



悠祐くんと別れてから
私は落ち着くために
海辺を散歩することにした

ザァァァン…

ザァァァン…

波が一定のリズムを刻み
押し寄せてまた引いていく
その波の音が私の心を落ち着かせる

私は砂浜に座りこんだ

「はぁ…」

まだ…
胸が痛い…

「何してんの?」

振り替えるとそこには
神埼くんがいた

「別に…」

そう言うと神埼くんは
私の横に座った

「神埼くんは何しに来たの?」

「散歩…」

「ふーん」

「………」

二人はしばらく黙って海を見ていた


沈黙を破ったのは神埼くんだった

「悠祐に用は済んだか?」

「うん…」

「そっか…」

「…」

我慢していた涙が頬を伝った…

「告白されるのは嬉しいけど
答えを出すのは苦しんだね…」

そう言うと神埼くんは私を
やさしく抱き締めた

「素直にもっと泣けば?
全部俺が受け止めてやる…」

「ふっ…ヒック…うわ~ん!!」

私は神埼くんの胸の中で
たくさんたくさん泣いた



「…」

「落ち着いたか?」

「うん…」

私が大分落ち着いたのに築き
声をかけてくれた

「神埼くん…」

「ん?」

「神埼くんは…
…好きな人、いる?」

何でこんな事…聞いてるんだろ…

「うん…」

「その人の事どれくらい好き?」

「これくらい…」

私をさっきよりもずっとずっと
強く抱き締めた
それは神埼くんの好きな人への
愛を私にぶつけているみたいで…

苦しいのに離してほしくなかった…


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