君は風
「お疲れ様っ」
私は、川崎美奈(かわさきみな)。
高校2年生の、サッカー部マネージャー。
練習が終わり、部員にタオルを配ってく。
「はぁーっ、今日も見事なゴールだったなぁ智輝!!」
少しおちゃらけながら言うのが、
うちの学校のサッカー部の2番手、
山口竜也(やまぐちりゅうや)。
「まぁな」
そっけなくも、笑ってこたえるのが
エースであり、私の大好きな彼氏の
中嶋智輝(なかじまともき)。
「ディフェンス、よくなってきたよね。次の試合が楽しみ!!」
私は、とも(智輝)とりゅう(竜也)にむかって言った。
「もち、勝ちますよ」
りゅうは口の端をくいっと上げて言った。
「当たり前」
ともも、そう言うと
二人はいぇーっと言って、ハイタッチをした。
「楽しみにしてるよ」
私は、笑いながら二人のところを離れた。