朝の旋律、CHOCOLATE ~Whole Lotta Love~
あ~…
どうして今、そんな事を考えちゃったんだろう。
すごく食欲なくなった。
“カラダは正直”ってこういう時に使うんだっけ?
………ごめん、違うね。
渡されたサラダ巻きを、パッケージのまま、手のひらに転がした。
もし、雪音ちゃんが彼女になってくれたら、私は…引っ越さないといけないかも知れない。
生活があるから、仕事は一緒にしてても許し……てくれるといいな。
お昼、は…一緒に食べれるだろうか。
…もし、雪音ちゃんと…結婚したら?
休憩のお茶…くらいなら、一緒に飲んでも構わないだろうか。
私の分の「哲」は、どのくらい残るのかな。
少しも、残らないのかも知れない…。
手のひらの中のパッケージ、その印刷された「サラダ巻き」の「巻」の字だけを目で追いながら、私は。
ふいに、遼なら何とかしてくれるかも知れない、と。
散々避けた遼の気持ちを、都合よく利用しようと考えた自分に。
ひどく消沈した。