朝の旋律、CHOCOLATE ~Whole Lotta Love~


仕方ない…行く…か…。


ニヤニヤする婿様の思惑はイマイチ解らないけれど、きっと哲が心配で、私の元気がない、と思ったんだと思う。


まあ、間違いでもない。
…気がする。

ちょっと腹立たしいけれど。



持たされたピンクな肌色の入った紙袋は、緑色のガムテープでグルグル巻きにしてきた。


こんなもん、病院に居るときに必要か?

必要なのか?


だいたい、どっか痛いときに、そんな気になるか?



…そんな気ってどんな気だ!!





私はひとりで色々と。
めまぐるしく考えては、もういい、と疲れて投げ出す癖がある。

今も、妙な存在感を滲ませる、緑色のガムテープで巻かれたそれと、昨夜の遼の目とが重なって。


一瞬、吐きたいような。
そんな気分に、襲われた。




…だから。




< 164 / 354 >

この作品をシェア

pagetop