朝の旋律、CHOCOLATE ~Whole Lotta Love~
「……ふぅん?」
「…寝たよ、疲れたもん」
哲は、まあいいけど、と視線を外し、私が昨日持ってきたスリッパを履いて立ち上がった。
「行くよ」
「…どこ行くの」
「コンビニ。院内にあるだろ」
ああ、青いコンビニ。
そういえば院内案内図に書いてあったかも。
「行ってきてあげるよ?なに買うの?寒いから寝てなよ」
今日は、北風が強い。
乾燥した冷たい風は、病院内には吹き込まないけれど、窓から見える空のせいで、やたら寒く感じる。
「蜜来たら行こうと思ってたんだから、付き合え」
親と行ったって、面白くないし、と、悪戯っぽく笑うもんだから。
油断、した。
「昨日、大勢来てくれたのか?」
「ううん、遼だけ」
………あれ?
「へぇ。1人で来た男を部屋に入れた、と。あの時間に」
「……………………」
私、今、…やらかした…ね?