朝の旋律、CHOCOLATE ~Whole Lotta Love~
「うわわわわわ…っ」
ヤバい、怒られる!
今何時ッ…
ああああ!11時半ーッ!!!!
過ぎてる!
禁断の「多分AVな時間」が過ぎてるぅ!
「ごっごめんなさいぃっ」
跳ね除けるように布団を蹴り飛ばし、蜜!と呼ばれた気がしたけれど。
起き抜けにしては、転びもせずに、逃げるように哲の部屋を飛び出した。
鍵を掛けずに来た自室のドアを勢いよく開け、思い出したようにもつれた足が。
僅かな段差に、つまずいた。
その場で。
徐々に落ち着いてきて考える。
なんで哲いた?
「……マジでなんでいるの?」
携帯も置いて来ちゃった。
逃げてきたけど…取りに行かなくちゃ。
……11時半、だけど。
ああ…。
どうして哲の部屋で寝てたんだろう。
どうして見つかっちゃったんだろう。
玄関のドアが開いて。
哲が顔をのぞかせた。