朝の旋律、CHOCOLATE ~Whole Lotta Love~
「それ、なんだけどさあ…」
不意に、哲が目を合わせたものだから、びっくりして。
有り得ないほど、すごい勢いで後ろにのけぞってしまった。
「…………………」
ああ、哲ってば、ものすごく呆れた顔してるなぁ…。
私は後ろについた手を口実に、少し体をずらす。
少し、哲と距離を取る。
…10cmくらい。
「………まぁ、いいか」
ふっ、と。
強く短く息を吐き出した哲が、私の淹れた紅茶を、口にした。
「…つーか、なんで俺のとこで寝てたよ」
……えっ…
「……居ないんだから構わねーけど、ちゃんと鍵かけとけ」
……い…いいんだ…?
だって11時過ぎだよ?
いや、…違う!
やだよ!私、二度としないよ!
哲の匂いに安心して、熟睡しました、なんて…言えるもんか!!
いっ………言えるもんかあぁ!