朝の旋律、CHOCOLATE ~Whole Lotta Love~
もしも。
誰かとの間に子供を授かったとして。
父親であるひとが、私を捨てた時。
父と認めないとき。
もしくは私が、愛せない時。
私の責任として、ひとりで産み育てる。
そういう、覚悟を、した。
今の状態が、めまぐるしく、そう思わせた。
極端かも知れないけれど、私が遼を愛せるとは、到底思えなくて。
こんなに、妊娠してしまうことを願わない状態で。
元凶としか思えない私と。
浅ましいとしか思えなかった行為をした遼。
一緒にいたって、つらいだけだ。
ああ、願わくば。
授かっていませんように、なんて。
愚の骨頂。
まだ、子供を持ったことのない私が、必死で導き出した答えを、哲にだけは、言えない。
きっと。
きっと。
そうなったら。
遼の所へ行け、と。
結婚“してもらえ”と。
言うだろうから。