朝の旋律、CHOCOLATE ~Whole Lotta Love~
「こっそり教えたろう!」
なんでそんなに悔しがるのか婿様は、温かい抹茶オレを両手で受け取った私に詰め寄った。
訳の分からない哲は、やや引いた視線で婿様を見やると、自分の分の冷たい抹茶オレの缶も、私に渡す。
私が黙ってプルトップを開けて哲に返した事も、婿様には面白くなかったみたいだ。
いや、面白かったのかな?
「…みちゅ!オレのも!」
…………えぇ?
婿様は…自分で開けなよ。
なんだよ~、へんなヤキモチ妬くなょ。
ぐいっと押し付ける、婿様のドリンクは、冷たい炭酸飲料。
思わず苦笑しながら受け取った私から、哲が。
自分の缶を私に渡し、炭酸飲料を取り上げた。
器用に肘に挟んでプルトップを鳴らす。
「ん」
「あ…あぁ…ありが………」
哲が右手で差し出した炭酸を受け取った婿様も、呆然と見つめていた私も。
思わず哲の顔を見上げた。
「なんで私に開けさせた!?」
デキるんじゃん!
哲、缶開けられるんじゃん!
自分で開けろよ!!