朝の旋律、CHOCOLATE ~Whole Lotta Love~


私は、遼が好きだ。
いや、恋とかではなく。


黒い細い髪も綺麗だし、切れ長の目も、長い腕も、高い背も。


私は、雪音ちゃんも好きだ。
もちろん恋ではない。

白い肌に、ふわふわの笑顔。

クラリネットを吹く姿は、なんの人形かと思うくらいに愛らしい。




「雪音ちゃん、昨日ごめんね」

「あ、蜜さん~こんばんは。蜜さんこそ、ちゃんと帰れましたか?」


うん、帰れたよ、と答える間にも、ふわふわの笑顔は、私を癒やす。

哲も、この笑顔が可愛いと言っていた。

好きかと訊いたら、無言で頷いた気がしたんだっけ…。


楽団の中でも、もしかしたら一番可愛いかも知れない。


おっぱい、マシュマロだしね。


………いや、人間、おっぱいじゃない。

でも…ないよりあったほうがいいような気がするし、それがマシュマロなら尚いい気がするんだ。



決して、私の胸がコンプレックスな訳ではない。



断じて、ない。




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