朝の旋律、CHOCOLATE ~Whole Lotta Love~
手を伸ばした私は、哲を見ていたのか、解らない。
顔を見ていたようでもあるし、目を閉じたままだった気もする。
哲のこんな…とこ。
見たことないし、触った事も、もちろん無い。
こんな……なるんだ?
哲でもやっぱり、なるんだ?
……当たり前だけど、なんだか恐ろしい気がする。
「蜜…、い、…から」
ぴく、と腰を引いたのは、私が滑るままに先端を、なぞったせい。
女のそれより粘度の高い、透明な、体液のせい。
ふと。
指先に、違和感があった。
「蜜、待っ…」
わずかに慌てた様子の哲の声を聴いたけど、私の指は、感じた違和感を探る。
「…っ」
なに、これ?
え、ほんとに…なに?
何か、ある。
哲のあれに、何か、粒が。
明らかに、キモチヨク、から遠のいた動き方をした、私の指先を止めるように、哲は。
「………んんッ…」
私の手首を掴み上げたそのままに。
私の中に、沈み込んだ。