朝の旋律、CHOCOLATE ~Whole Lotta Love~
いつ眠ったのか、解らなかった。
明け方に、わずかに目が覚めた気がするけれど、哲の素肌が視界を埋め尽くしていることに、どうしてかひどく安心して、再びうとうとと、潜り込むように、すり寄った気がする。
それから、次に目が開いた時。
哲は、すでに起きていた。
いつから起きていたのか、私に腕を回したまま、額に、唇を当てた。
「…………おはよ?」
「…………………………」
哲は起きていたけれど、私は寝ぼけていたのかも知れない。
外で既に喧嘩を始めているヒヨドリの声を聞きながら、私は躊躇うことなく、再び哲にすり寄った。
「…も、いっかい」
今の、ちょっと気持ちよかった。
「………足りなかった?」
「…ん~?」
何が?
ヒヨドリ、うるさいね。
リンゴ…あげないと……ね。
私の思考はふわふわと、再度眠りに落ちていく。
哲があったかいから、仕方ない…と…思う。
起きた時に、哲がいなかったら、きっとすぐに目は冴えたと思うけれど。