朝の旋律、CHOCOLATE ~Whole Lotta Love~
「蜜?…疲れた?」
「…ん~」
あれ?
起きろ、って…言わないの?
ヒヨドリの声がして、哲の声が聞こえた時は…大抵、起きろ!って揺さぶられるのに。
「哲……さっきの、もう一回して」
おでこに、ちゅってやつ。
「………いいけど…」
蜜、まだ寝てんじゃん、と苦笑する声に、だんだん意識が遠退いた。
なかなかしてくれない額へのキスに、今度は少しずつ、覚醒していく。
「………あれ?」
赤い髪が顔を掠め、肩に吐息がかかってようやく。
違和感に気が付いた。
「……う」
服が、ない。
いきなり服がないとはどういう事だ…。
「てっ…ててて哲!」
待って待って!
布団めくらないでぇ!!!
「えぇ?」
「服着てから!服着てからでいい!」
あわあわと身じろいだ私は、哲も裸である、と認識して、固まった。