朝の旋律、CHOCOLATE ~Whole Lotta Love~
「…ごめん、ね」
遼は、それから?とせっつく団長に目を向け、次いで私と視線を、合わせた。
「ま…まだ何か……」
出来れば、これ以上、あけすけないで頂きたい。
遼の口から、中に出しました、とか再確認して欲しくなかった。
「哲くん、が…………」
「………哲、が?」
やだ、なんだか緊張する。
遼は再び目を逸らし、手に持ったアルミ缶を、ペキ、と鳴らした。
「高崎!もにょらない!」
もにょ!?
なにそれ!!
ちょっ…団長黙っててよ…
居てくれるだけでいいから…!
「哲くんがこの前、蜜が逃げちゃった後…」
再び顔を上げた遼は。
息を詰めたように、唇を震わせた。
ペキン、と缶が鳴る。
防音されているスタジオの中で、その音は、ひどく緊張した。