朝の旋律、CHOCOLATE ~Whole Lotta Love~
「朝、8時まで寝てていい?」
起きたらシャワーを浴びて、身支度して、10時に出る。
「いいけど…鳥、どうすんだ」
「夜のうちに出したら乾いちゃうかな」
ぱりりと、海苔の端をかじる。哲も、おにぎりを、かじる。
哲は、食べ方が綺麗だ。
でもひとくちは大きいと思う。
ひとくちで三分の一が無くなった気がする。
いきなり現れたイクラの艶々した赤。
私も、かじる。
イクラは出てこない。
「少々乾いたってあいつ等は食うだろ、きっと」
「そだね、いくら寒くても凍らないだろうし」
もう一口、かじる。
あ、ちょっと赤いの見えた。
土曜日は、吹奏楽団でトランペットを吹く。
日曜日は、いろいろ。
明日みたいに誰かと出掛けたり、ライブに行ったりコンサートに行ったり映画を観たり。
月曜日から金曜日は、哲と一緒に仕事をする。
そして全ての夜には、音楽を聴く。
全ての朝には鳥に餌をやる。
それが私の、決まったような、冬の一週間の、リズム。