朝の旋律、CHOCOLATE ~Whole Lotta Love~
「蜜…」
やだ怖いやだ怖い。
「ごっ…ごめっ……はうっ」
靴下を履かないままの哲の素足が、視界にちらりと入るが、そのまま踏まれたのか、腰に重さを感じる。
グリグリと。
「昨日っ…鳥にリンゴ出して…!そんで……っ……ぁぁん…ちょっ…気持ち…いい…」
…………マッサージみたいで。
「………」
ピタリと、踏む足が止まった。
「お前…」
あ、呆れた。
良かった、怒られるよりはマシかも知れない。
苦笑混じりの声で、馬鹿、と言う哲は、一度、強すぎるほどに私を踏みつけると、窓を閉め、鍵をかけた。
「変なの入ってきたらどうすんだ」
「…哲隣にいるし大丈夫だよ」
ようやく起き上がって、ベッドの上から緑色の布にくるまれた布団を引っ張り、肩から巻き付ける。
…おお、あったかい。