朝の旋律、CHOCOLATE ~Whole Lotta Love~
「遼の匂いって、なに?なんか匂いする」
「匂い!?」
え。
なに。
なんでそんなびっくりするの…
「なんか…匂う…?」
青に変わった信号に従いながら、遼は自分の腕を嗅ぐ。
いや別に、腋が臭うとかではなくてね…?
「いい匂いが…したよ?なにか付けてるのかなあって……」
あーもう。
せっかく美人なのに。
腋嗅ぐなよぅ…。
「なんだ…びっくりした…」
「……遼…、女の子じゃないんだから」
込み上げた笑いに、遼は、だってさあ、と唇を尖らせた。