朝の旋律、CHOCOLATE ~Whole Lotta Love~
「蜜もその無い胸に開ければ判る!この快感が!」
なっ………
無い…胸………
ぎゅ、と哲のジーンズの上から拳を握る。
「てっ…哲………」
「…はいはい、寄せて上げれば谷間ができますよ。だから退け。…腿痛ぇんだよ」
ああ…ごめん
思い切り乗っかったままだ。
いや、だって胸無いとか!
………つか、なにその棒読み。
失礼な。ほんとに寄せて寄せて寄せれば谷間が出来るのに。
普段、寄せないだけで……。
「蜜、揉まなくていいから」
思わず、自分の胸を見下ろし、しょんぼりと両手で寄せたり上げたりしていた私の手を叩き、哲は苦笑する。
昨日からずっと刻みにくかった私のリズムが、ようやく元に戻った気がした。
赤い髪。
唇のピアス。
哲が、雪音ちゃんと付き合いだしたら、やっぱりこうやって私がベッドに上がっちゃ駄目だよね。
私、しばらく寂しいかも知れないな…。