朝の旋律、CHOCOLATE ~Whole Lotta Love~
「俺んち、柚子と金柑と…なんか夏みかんみたいなやつ、なるけど…いる?」
柚子と金柑と…夏みかんみたいなやつ?
どんな庭だ。
柑橘屋か?真ちゃんちは柑橘屋なのか?豪邸なのか?
いる、と即答した私に真ちゃんは、ニヤリと唇を横に引き伸ばした。
「じゃあ持ってくるから、そのぺったんこな乳揉ませ……」
ごぃんっ、て。
真ちゃんの後頭部で、哲の拳骨が音を立てた。
……ぺ…ったんこ…。
「ちっ…乳はどんな乳でも神聖なんだからね!ぺったんこだって乳!マシュマロだけが乳だと思うな!ぺった……うぅぅ…」
気にしてないけど!
気になんかしてないけど!
連続で貧乳を指摘することないじゃんかっ!
「蜜、揉むなって」
セクハラじじぃはほっといて、着替えて来な、リンゴ運んでやるから。
苦笑する哲が、私の腕を取り、立ち上がった。