朝の旋律、CHOCOLATE ~Whole Lotta Love~



赤と金の、照明。


黒い壁も、むき出しの天井も、ステージの古びたアンプもスピーカーも。


キラキラと。


哲も。
真ちゃんも。

ベースギターの川辺くんも。
ドラムスの杉崎くんも。



全然違う人に、見える。



私は照明のこちら側で。


たまらなくカッコ良く映る彼らを、イく前の高揚感にも似た感覚で、最後列から、見つめた。



この前のギタリストよりも、絶対に真ちゃんのレスポールの方が、気持ちいい。

真ちゃんの指の方が、綺麗。



哲の声が。

話すときの音域を超えて、私の全身をいっぱいに、満たす。



私の吹くトランペットじゃ、こんなには満たされない。

遼の吹くトロンボーンでも、全然足りない。



吹奏楽は、重ねて重ねて満たされて行く音。


哲の声は、ひとつでも。
上り詰める事が、できる。

真ちゃんのギターと、川辺くんのベース、杉崎くんのパーカッションで、最高に、最高に。



気持ちいいものに、変わる。




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