年上の彼女【短編】
「分かったから。今着るよ」



真っ赤な顔をしたあやは、目を合わせようともしない。


照れてる?マジ可愛い!!


わざとあやの目を見詰めたら、ますます赤くなった。






リビングに移動すると、あやの言い付け通りにTシャツを着た。



あやはソファーにちょこんと座ってる。





いつからだろう、俺の方がデカくなったのは。


あやの方が年上だから、昔は俺が見上げてた。


どこにいくにもあやの背中を追ってたっけ…


振り向いた時に見せる柔らかい笑顔が大好きだった。




でも今じゃ、俺の方が頭一個分デカくて、細くて小さいあやを見てると、守ってやんなきゃって思うんだ。。






「で、あや、何の用?」



告られに来たって、知らないよね?


あやのお母さんは計画を話してないはず。


何に理由をつけて、あやをうちへ向かわせたんだろう…




「あ、そうだ。お母さんからコレ。」




あやはビニール袋から煮物の入ったタッパーを取り出した。


ん?


何故に煮物?


どうやら、うちの母親が外出するから、おばさんがおかずをお裾分けするって設定らしい。




「なんだ。俺に会いに来たのかと思った。」



告白については全く知らないってわけね。


おばさんも芸が細かいな♪

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