甘いアイツのお気に入り
……ウソ泣きなんかじゃ、ないのに。
仕方ないよね。みんなにとって
あたしは邪魔なんだもんね……。
ズキリズキリと胸が痛む。
何か言ってやりたいって気持ちもあるけど
今のあたしにそんな権利なんてない。
それにただ翔早くんの
迷惑になりたくないから。
「……ごめんね、じゃああたし……」
『戻るね』
そう言う前に、
あたしの頭にかけられたタオル。
途端に翔早くんの香りに包まれる。