甘いアイツのお気に入り





予想外の言葉に、固まるあたし。
今のはいったい?



「ちょっと矢沢くんどこ行くのー?」




「待ってよー!」




タオルの向こうで人が動く気配がする。


バタバタと足音のあとの
静けさがあたしを包む。




きっと、翔早くんは行ってしまった。



かけられたタオルを、ギュッと手で包む。




翔早くんはもういないのに。
なぜだか気持ちはポカポカ。




もちろん不安だよ?


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