甘いアイツのお気に入り




「翔早くん、もういいから……」





あたしの言葉に首を振って、
翔早くんは口を開いた。





「身寄りが無かった俺は、裕福な親戚のおじさんに引き取られたんだ。とても優しい人で、その人のために改心するって決めた。それからもう1つ――……」





翔早くんがあたしの頬に触れた。





「莉子ちゃんに、出会ったから」





「え?」




あたし……?




< 363 / 417 >

この作品をシェア

pagetop