甘いアイツのお気に入り
鏡にうつった自分を見て、
思わず笑ってしまった。
見慣れない短い黒髪。
こんな姿を見たら、
俺と同じ中学のやつらは笑うかな?
似合わない、って
そんな真面目なフリはやめろって。
言われるんだろうか。
まぁ、そうならないために通っていた
中学からはかなり離れた高校を
受験したわけで。
別に期待なんてしてなかったけど。
もしかしたら奇跡的な、
俺を変えてくれるような人に
出会うんじゃないかって。
柄にもないようなことを考えていた。