甘いアイツのお気に入り
学校に着くと、
行き交う女達が俺を見てくる。
……うわ、面倒くせ。
前の俺を知ってる人だっていないし、
金髪じゃないから目立たないと思ったのに、
これじゃ意味ないじゃん。
入学式は、なにか理由をつけてパスしよう。
あんな大人数の前に行けば、
どうなるかわかんないし。
今の俺は見た目は変わっても
心はささくれていて、
考えることは昔のままだった。
はぁーと大きくため息をつきながら、
サボるために俺は屋上に向かった。