【完】俺が消えてしまう前に

・これから



**


愛希がいなくなってから数週間がたった。


父さんと母さんは昔よりも生き生き生活をしている。


たまに七海たちと一緒に会いに行くけど、
もう二人に俺の姿は見えなくなっていた。


桃子によると、あれは本当に姿を見せてほしい!と願った時にしかできない荒業だったらしい。

あの日から数日は桃子の体調も悪く、
学校も休みがちだった。


七海はそれを心配して、自分も学校を休み桃子の看病をしていた。




でも今は桃子も復活して、
いつも通りのお嬢様ぶりを発揮している。



桃子と七海もお互いを名前で呼び合うようにもなった。


っていっても愛希ゆずりの呼び方。

『なっちゃん』と『ももちゃん』


やっぱり二人もまだ愛希の事を引きずっているんだろう。






・・・そして。

俺達はこれからの話もした。



俺が消えなかったのはまだ未練が残っているから。

だからその原因をもっと探らなければいけない。



そういう結論に至った。
< 106 / 166 >

この作品をシェア

pagetop