【完】俺が消えてしまう前に

幽霊の俺が、
生きてる子に恋をする。


こんな馬鹿げた話どこにある?

・・・あるわけないだろ。



どうせ見えるのはバッドエンド。
ハッピーエンドなんて存在するのは奇跡みたいなものだ。



もしも・・・。
俺のこの気持ちを桃子に相談してみたらどう言うんだろう。


『諦めろ』と言うのか。
『好きだと言えばいい』と言うのか。


とりあえず、
七海のいじめの件が本当に解決したら話してみよう。


それが一番いい。






「じゃあそろそろ私帰るね!」


「あら、もう帰るの?」


「なんか・・・ももちゃんの家大きすぎて落ち着かないし!笑」


「なっちゃんの家もそこそこ大きいから同じようなものだと思うけれど」


「全然一緒じゃないし!」


「そうかしら?」


「樹君ー!帰ろう?」


「・・・あ、おう!」







七海との帰り道。

いつも愛希がいたけど、もういない。


俺と七海の二人だけが当たり前になってきている。



おかげで
話が途切れて気まずい時間もできるようになった。



少しだけこんな時思う。
愛希がいてくれたらな、と。
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