【完】俺が消えてしまう前に
学校に近づくにつれて
あの時のように七海の口数は減っていった。
少しだけ手が震えている。
そんな七海の手を桃子の手が包み込む。
「大丈夫よ」
「・・・わ、分かってる」
俺は決めていた。
もしも、七海へのいじめが一切変わっていなかったら俺はいじめている奴を本気で・・・呪い殺すと。
地獄行きでも構わない。
好きな人を傷つける奴は許さない。
・・・七星の時はここまでは思わなかった。
俺は本当にいつのまに七海をこんなに好きになってしまったんだろう。
「ついたわよ」
「うん」
車をおりて、
自分たちのクラスに向かう。
七海の足取りは重い。
そして
運命の瞬間。
「皆さんおはよう」
桃子が最初にクラスに入り、大きな声であいさつをする。
皆口々に『おはよう』と返した。
次に七海。
一言も言わずクラスに入る。