【完】俺が消えてしまう前に
終わった後、
七海と委員長が話す間もなく
桃子がすぐに七海を連れて教室を出る。
俺も慌てて後を追いかけた。
「どういうつもり?」
「・・・」
俺は二人に声をかけようとしたけど、かけられる雰囲気じゃなかった。
「私の気持ち教えたはずよね」
「・・・うん」
「だったら・・・なぜ同じ係になったって教えてくれなかったの?」
「急だったから」
「昨日には決まっていたんじゃないの?」
「・・・」
「どうして黙るのよ」
「・・・ごめん」
「私は謝ってほしいわけじゃないわ」
一体俺の知らない間に二人はどんな話をしていたんだ。
桃子の気持ち?
どういうことだ。
「私が、彼を好きだと知っているのよね」
「知ってる」
「・・・ごめんなさいね。少し感情的になってしまって。協力してとは言わないわ。だけどなっちゃんが絶対に裏切らないと信じるから」
「それは、絶対だよ!」
「・・・ええ」
桃子が委員長を好き・・・。
そうだったのか。
恋関係は人を変える、よく分かるたとえだ。