【完】俺が消えてしまう前に
結局その間、俺は二人に声をかける事が出来ず教室に帰った。
そこには委員長が一生懸命集計している姿があった。
俺はそれを見ていた。
委員長以外に人はもうほとんど残っていない。
集計が終わったのか、委員長は立ち上がり書類らしきものを机でトントンとそろえる。
そして教室を出ようと俺を通りすぎた。
それと入れ替わりに七海と桃子が入ってくる。
「樹さんお待たせ」
「どこ行ってたんだよ」
「女子トイレよ」
「へぇ」
「あ、私この後委員の仕事あるからももちゃん先帰ってていいよ」
「あら、そうなの」
「樹君も」
「・・・俺も?」
「え、うん」
俺が傍にいた方が心強い。
そう思ってくれているんだと思ってた。
「じゃあ行ってくるね!」
七海は元気よく手を振り、鞄を持って教室を出て行った。
俺と桃子以外の生徒も教室を出て行く。
静かな空間が俺らを包んだ。
「・・・帰るか」
「そうね」
「今日はお前の家行ってもいい?」
「・・・あら珍しいわね」
「なんとなくだよ」
「そうね。・・・私も少し、お話したいと思ってたしね」
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