【完】俺が消えてしまう前に
俺は言われるまま反対側のソファに座った。
桃子も俺の隣に座る。
「で?どんな事があったか教えて」
俺が幽霊になったいきさつ。
愛希の事。
大体の原因を手短に桃子が話す。
話し終わった頃、
聖子さんの顔は少し険しくなっていた。
「・・・愛希って子は成仏したんだ。桃子も結構やるじゃん」
「当たり前の事をしただけよ」
「んー。でもなんで樹が残ってるかって感じだよね。自分で心当たりはあんの?」
「お母さん!だから、樹さんもないって言ってるから今から原因を探すって・・・」
俺は桃子の言葉を遮るようにこう言った。
「あります」
桃子は驚いたようにこっちを見る。
「へぇ。聞かせてくれる?」
「・・・もう少しだけ言うのは待ってほしい」
「なんで?さっさと解決してぱっぱと成仏した方が軽くなれるよ?」
「一日だけでいいから」
「明日の昼まではあたしも仕事ないから、いいよ別に」
「ありがとうっす」
「あははー無駄にタメなとこと敬語あるならさ、タメでいいんだけど?」
この人も癖があるな・・・。
桃子も少しおされぎみだし、一番厄介かもしれない。
だけど、
この人なら・・・。
俺を無理やり成仏くらい出来るかもしれないな。
・・・一人で考えるのは止めよう。
桃子に、聞いてみるんだ。