【完】俺が消えてしまう前に



「・・・で?また来たの?」


「・・・今度こそ。本気に除霊してほしい」




聖子さんはせんべいをバリバリと食べながら聞いてきた。

今俺は桃子の家にいる。



「はぁ~。ほんっとうにあんたって面倒くさいね。今度は何?」


「面倒とか分かってるけど口に出すなよ。・・・別に?この世に嫌気がさしただけだ」


「あーめんどいめんどいめんどい!はっきり言わないあんたもめんどい!」


「・・・七海だよ!!知ってんだろ?俺を騙したんだからそれくらい」


「七海ぃ?知ってるけど、ラブラブだって桃子から聞いたけど?」


「終わりだよ終わり。そんな夢物語。所詮は違った」


「少し落ち着きなって。この世から消えたら本当におしまいなんだからさ」


「七海の口から除霊してもらえば?って言われたんだよ」


「えええ!?七海から!?」


「そうだよ」


「・・・そりゃああれだよ。うん、これはあたしの口からは言えないねぇ」


「なっ・・・やっぱり聖子さんも知ってんのか!?桃子は教えてくれないんだよ!聖子さんは教えてくれるよな!?」


「自分で考えた方がいいと思うけど」


「考えても考えても分かんないんだって!」


「・・・じゃヒントあげるー!」




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