【完】俺が消えてしまう前に
聖子さんは最も分かりやすいヒントを俺にくれた。
『七海ちゃんと瓜ふたつの女の子』
・・・俺は何してたんだ。
七海を不安にさせて、しかも勝手にこの世から消えようなんて。
自分勝手にもほどがあったんだ。
どうして気付いてやれなかった。
「いってらっさーい」
俺が走り出すのを見て聖子さんは片手を振りながらそう言った。
七海の元へ走るのはいつ以来だ。
・・・水族館以来だな。
俺は七海の元へ急いだ。