【完】俺が消えてしまう前に
「誰に、七星の事聞いたんだ」
「・・・お父さんとお母さんに、教えてもらった。本当はお姉ちゃんがいたんだよって」
「そっか・・・」
「あとは、ももちゃんに聞いた」
「別に黙ってたわけじゃないんだ」
「・・・」
「だけど言おうともしてなかった。言ってた方が良かったよな。ごめん。・・・だけどこれだけは信じてほしい。七海は身代わりなんかじゃない」
「嘘」
「嘘じゃない。なんで嘘なんかつかなきゃいけない?」
「だって・・・」
「七星を確かに好きだった。愛していた。でもそれは家族として、だ」
七海はその場に座り込み、体操座りをして顔をうずめた。
俺の言葉に何も反応してこない。
「俺が女として好きになったのは、愛しいと思えるのはお前だ。七海」
心の底から。
俺は七海に伝える。
自分がどんなに七海が好きなのか。
どんなに愛しているのか。
どれほどの覚悟で七海を好きになったのか。
想いを伝えたのか。