【完】俺が消えてしまう前に


「・・・大好き」


「バーカ。言いすぎ」


「だって」




俺は七海の口を自分の口で塞いだ。

七海は驚いたように目を開いている。
だけどすぐに目を閉じた。


長い長い七海とのキス。



すると、
俺の体がふわっと光だした。


どこかで見た事がある。


そう、それは愛希が成仏した時の光だ。

そしてどんどんと俺の体が消えていく。ゆっくりと。



「・・・嘘、嘘!もう?もう逝っちゃうの?」


七海が慌てふためく。


「七海、落ち着け」


「嫌、嫌だ!駄目、待って。まだ駄目!」


「・・・七海」


「今、今ももちゃんに連絡して!それでももちゃんのお母さんを・・・!」


「七海!」


「・・・あ」


「もう、分かってただろ?・・・目をそむけるな。さっき俺ら話してたじゃん。生まれ変わったらって。・・・な?俺の事待ってろよ」


「・・・だ、駄目・・・。まだ、まだ伝えられてないの。全部全部!!」


「一生のお別れじゃない!!そう信じるんだ。俺たちならきっと・・・もう一度出会える」



< 154 / 166 >

この作品をシェア

pagetop