【完】俺が消えてしまう前に
「・・・大好き」
「バーカ。言いすぎ」
「だって」
俺は七海の口を自分の口で塞いだ。
七海は驚いたように目を開いている。
だけどすぐに目を閉じた。
長い長い七海とのキス。
すると、
俺の体がふわっと光だした。
どこかで見た事がある。
そう、それは愛希が成仏した時の光だ。
そしてどんどんと俺の体が消えていく。ゆっくりと。
「・・・嘘、嘘!もう?もう逝っちゃうの?」
七海が慌てふためく。
「七海、落ち着け」
「嫌、嫌だ!駄目、待って。まだ駄目!」
「・・・七海」
「今、今ももちゃんに連絡して!それでももちゃんのお母さんを・・・!」
「七海!」
「・・・あ」
「もう、分かってただろ?・・・目をそむけるな。さっき俺ら話してたじゃん。生まれ変わったらって。・・・な?俺の事待ってろよ」
「・・・だ、駄目・・・。まだ、まだ伝えられてないの。全部全部!!」
「一生のお別れじゃない!!そう信じるんだ。俺たちならきっと・・・もう一度出会える」