【完】俺が消えてしまう前に
少し休憩した後
新聞紙に目を通すのを止めて
幽霊に関する本を片っ端から集めた。
その中には重い本もあり、
自分が持てない事に対して苛立つ。
女子にこんなもの持たせるなんて
男として最低だと思うから。
「大丈夫か?」
「ん!?平気だよー!なんとかもてるし!」
「俺が持てれば良かったんだけどな」
「気にしないでよ!早くポルターガイストでも使えるようになって笑」
少し冗談を交える七海。
って言っても本当に使えるようになるかもしれないけど。
とりあえず山積みになった本を目の前にして、
一冊を手に取り一ページずつ七海が開いていく。
「うー。オカルトオカルトしてて頭痛い」
七海が眉間をおさえる。
俺はごめんと謝るしかなかった。
女子だからと決めつけちゃ駄目なんだろう
怖いものを好き好む人は少ないはず。
しかも膨大な本の数。
さっきまで新聞に目を通していたから
計算すると、もう5時間くらい図書館にいるんじゃないか?
学校のないせっかくの七海の休日を
こんなことで過ごさせてしまったという罪悪感も俺を襲った。