【完】俺が消えてしまう前に
今の現実を、受け入れられないのは当然だよな。

だけどいつかちゃんと受け入れないといけない時がくるんだ。
・・・きっと。




「おーい。愛希どこだー」


「愛希ちゃーん?」


「愛希ー?」



俺らの声に気付いたのか、愛希はどこからともなくてててっと走ってきた。


それと同じくらいに、
図書館の司書らしき女性が近づいてきた。


「どなたかお探しですか?」

優しそうに微笑む司書の女性。
・・・それが今は悪魔の笑顔にしか見えない。


「あ、いえ・・・えっと・・・」


七海は口ごもる。

言えないよな。もう貴女の目の前にいますって。


「よければご一緒にお探しいたしますよ?」


「だ、大丈夫です」


「そうですか?遠慮はいいんですよ」


「本当だ、大丈夫なんで!!!」



七海は急いで図書館を出た。


俺も愛希を抱き上げて、七海の後を追う。
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