【完】俺が消えてしまう前に


「ほら、小学校でも中学校でも休む事が多くて・・・。いつの間にか私は置いてきぼりだったんだ」


「・・・おう」


「友達がほしくて、すっごくほしくて、でもできなくて。話しかける勇気もないし」


俺はただ黙って聞くことしかできなかった。
俺自身がどんな人間だったのかも分からないから、七海の話を肯定すればいいのか否定すればいいのかも・・・分からない。




「高校生になってからもそれは変わらなかった。内気な性格のせいで友達いないんだよね!おかげでいじめのターゲットにだってなってる」


あははと笑う七海。
だけど表情は少し寂しそうだ。


「ほら、愛希ちゃんを家に連れてくって時さ。樹君学校はいいのか?って聞いてきたよね」


「ああ、あの時か」


「そう。私、学校にむしろ行きたくなかったから・・・困ってる感じの樹君たちに声をかけたの」


「・・・そうだったのか」


「最低だよね」


「え、いや」


「いじめられてるのを病気のせいにして、樹君たちを助けた事に優越感を得てる私。結局今でさえ助けられてないし、迷惑かけてる」


「おい七海」


「私・・・思うの。二人が幽霊でも関係ないんだって」


「・・・」


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