【完】俺が消えてしまう前に
それからも七海のいじめはひどくなっていった。
ノートや教科書にはひどい言葉。
机の中には蛇や虫のおもちゃ。
言葉の暴力。
無視。
俺は耐えられなかった。
耐えられなくて、教室を出た。
廊下に座り込んで耳を塞いだ。
どうして俺はこんな気持ちになるんだろう。
前救急車を呼んだ時みたいに力を使えばいいんだ。
なのにどうして使わない?
何故今、七海と愛希を教室に残して出てきた?
・・・なんでなんだ。
分からない。
突然、
俺の頭に激痛が走った。
まるで鈍器で頭を殴られているかのような痛み。
「・・・っ!!」
天罰か。
七海を助けようとしない俺への。
弱い俺への。
・・・ああ、だったらいい。
このまま俺を殺してくれ。
最低で最悪で
頼ってばかりで
守ってやる事もできない。
言った事を達成する事も出来ない俺なんて。
・・・そうだ。
もう俺、死んでるんだっけ?