【完】俺が消えてしまう前に
・親友
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「七海!!」
俺は迷わず女子トイレに入った。
そこで見たのは、
制服を引き裂かれて倒れている七海と
七海を囲む七人くらいの女子の姿だった。
ある女子生徒の手にはカッターナイフ。
そしてある女子生徒の手にはバケツと雑巾。
七海の近くにも数枚雑巾が落ちていた。
「・・・っ!七海!」
「なっちゃん!」
俺と愛希は急いで駆け寄った。
ぼんやりと七海は目を開けてこう言った。
「このまま、死んじゃいたいな」
「何、言ってんだよ」
「だって・・・そうしたら、二人とずっと一緒にいられるでしょ?」
「なっちゃん・・・」
「二人と一緒にいられる方が私にとって幸せ」
「七海・・・」
「このまま最後までこの人達にやらせて、そうすれば私はきっと死ねるはず」
「なっちゃん、しんじゃやだぁ!」
「ごめんね?愛希ちゃん・・・。やっぱり私弱いままだ」
「ふざけんな」
「へ?」
「ふざけんなって言ってんだよ」
「樹君・・・」
「お前が死んだら親が悲しむ。それ以上に、俺達が悲しむ」
「・・・」
俺は立ち上がった。
今までにない憎悪と共に。