【完】俺が消えてしまう前に
周りにいた七海をいじめていた女子生徒たちはいつの間にかいなくなっていた。
今のこの状況に異常を感じて逃げたんだろう。
「・・・ふぅ」
「ありがとう桜塚さん。樹君を消さないでいてくれて・・・」
「別にお礼を言われる事でもないわ。本当の悪霊ではなかったみたいだし」
「・・・ありがとう」
「水島さん顔をあげて?」
「・・・うん」
「ところで、貴方はどういった経緯で自分が幽霊になったのかは覚えてるの?」
急に話を振られた俺は少し戸惑った。
「あ・・・えっと」
「その様子じゃ分かってないようね」
「・・・」