【完】俺が消えてしまう前に
「・・・というわけです」
理事長室でふかふかのソファに座らせてもらい話すのはなんだか気が引けた。
でもとりあえず現状を伝えた。
「記憶喪失の幽霊とまだ心残りのある幼女の幽霊・・・ね」
「まぁ短くするとそんな感じっす」
「別に敬語いらないわ。ついでに呼び方も他人行儀はやめてちょうだい」
「・・・と言われましても」
「文句あるの?」
「ない・・・」
「よろしい」
俺が七海と会った時とは逆になったな・・・。
この女も結構癖があるし。
結構大変なグループが出来たのかもしれない。
「ももちゃん!!」
「・・・もも、ちゃん?」
「桃子ちゃんだからももちゃん!」
「・・・っぷ!」
俺は思わず吹き出してしまった。
だってあまりにも可愛らしい呼び名なのに
呼ばれてる本人は大人で綺麗なお姉さんタイプだから。
愛希はネーミングセンス本当にありすぎて困る。
「何笑ってるのよ!」
少し顔を真っ赤にして怒る姿は、
あどけなさが出ていた。
「とにかく!本題に戻りましょう」
「おう」
「次は私について話さないと、せっかく教えてもらったのに失礼よね」
「・・・まぁ、俺はどっちでもいいけど」