【完】俺が消えてしまう前に
・愛希の死因について
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俺達は学校を出た後、愛希の家の近くまで移動していた。
その道の途中。
向こう側からいかにも不良です。と言っているような男子5人組が歩いてきた。
「・・・何ぃ?すっげぇ可愛いじゃん」
「俺こっちの子がタイプだわ」
「えー嘘だろ!?俺こっち」
「お前のタイプなんてきいてねぇし笑」
「僕達とこれからお茶しない?」
「好青年ぶってんじゃねぇぞー笑」
案の定七海と桃子は声をかけられてしまった。
俺と愛希の姿は見えていない。
「や、やめてください」
七海が弱々しく言う。
その姿に男たちは再びゲタゲタ笑い、今度は七海の腕を強く掴んだ。
「誘ってるようにしか見えないねぇ?笑」
「・・・ひっ」
「水島さんに触らないで!」
「んだぁこの女。お前からヤらしてくれんの?」
「汚らわしい!」
そう言いながら桃子は男の腕をひっぱたいた。
「・・・てめぇ!!」
男は大きく振りかぶり
桃子を殴ろうとしている。
その瞬間、
時間が止まった。
いや、実際には進んでいるんだろうけど進んでいない感覚。
それと同時に再び俺をあの頭痛が襲った。