【完】俺が消えてしまう前に
俺の話を聞いた後、
桃子はすかさず聞いてきた。
「それで、その"彼女"は一体どこの誰なのよ」
「分からない」
「まだ思い出してないのね・・・」
「ごめん」
「謝る事じゃないわ。それにしても樹さんと愛希さんが生前お互い関係があったなんてね」
「いっちゃんとあってたのー?あきはいっちゃんのおともだち?」
俺は愛希の頭を撫で、「そうだよ」と一言。
「やったぁー!」
愛希は嬉しそうだ。
俺の心の中は複雑なまま。
「もう少しここら辺を当たってみましょう。そうすれば樹さんの言っている"彼女"の事が分かるかもしれないわ」
桃子の言葉に七海と俺はうなずき、
再び二手に分かれて、話を聞き始めた。