【完】俺が消えてしまう前に
俺と七海はさっき話を聞かせてもらったお宅に向かった。
その人は快く話も聞いてくれて
家にまで上がらせてくれた。
「ごめんねぇ?今お茶葉がないから買ってきたりんごジュースで許してね」
優しそうに笑いながらそう言う。
七海は小さくお辞儀をした。
「それで?今度は何が聞きたいの?」
「・・・えっと、愛希ちゃんの事故の時、誰かも一緒に事故にあいませんでしたか?」
七海の言葉にその人の顔は凍りつく。
「あの・・・?」
「・・・それ、誰に聞いたの?」
「えっと、近所の他の人に聞きました」
「そう。そこまで教えてくれたの。相当聞き方が上手なのね」
「わ、私はそんな・・・」
実際聞きだしたのは桃子だ。
あいつなら確かに何としてでも全てを聞きだしそうな雰囲気だしな。
「そこまで知ってるなら教えてあげる」
「・・・お願いします」
「今から話す事は愛希ちゃんのご両親から聞いた話よ」
「はい」